一人目~拓真~

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そしてコンパ当日。 僕が店に足を踏み入れた時には、もうすでに総メンバーが集まっていた。 「拓真ぁおっせぇよ!!」 僕に向かって大声をあげている柚木は、もうすでに出来上がってしまっているようだ・・・。 「悪いな。残業してたもんだから遅くなっちまった。」 そう言いながら柚木の隣の席に座ると、女性陣からの視線を僕は痛いぐらいに感じる。 こういう場には、遅れて登場した方が印象的でウケがいいと誰かに聞いたことがある。 まぁ柚木なんだけど。 「ほら、早くしろよ。」 柚木が酒臭い息を吐きながら、僕の背中をバンッと叩いた。 「あぁ・・・あ、ども。俺、拓真っす。」 テーブルを挟んで対面する女性陣に向かって軽く会釈すると、僕の辿々しい挨拶に柚木が吹き出した。
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