一人目~拓真~

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真希の聞いた噂によると、どうやら専務の死に方が異様だったらしい。 ひたすらに、何を使って書かれたかもわからない 『来るな』の文字。 白かった壁はその三文字たちで黒く埋め尽くされ、その壁にもたれかかるようにして亡くなっていた専務の体は痩せ細り、 その細い両手は・・・ 自分自身の首を強く締め上げたままだった。 爪が食い込み、血が滴るほどに。 そしてその死に顔は、断末魔の叫び声をあげ、苦痛に悶えて今にも訴えかけてきそうなほど恐ろしい形相だったという。
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