始まりは既にいつからか

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「うむぅ……別に構わぬと思うがな、私は。 愛し合う二人が身を交わらせるのは当然の節理かと、私は思うのだが……違うか?」 そんな下心丸出しの恋、俺はしませんよ! 俺は本当の恋しかしないんです! なんて言ってみたいもんだね、まったく。 「いや、まぁ……否めないのが悔しいなぁ…」 「っはははは!恥じる事などないぞ陽ちゃん! だから今夜私の部屋に来るがいい。鍵は開けておくからな」 「会長一人で悶えて一晩過ごしてください。俺は行きませんから」 アァンッ!そこに痺れる憧れるぅ!と会長は自分を抱きしめながらクネクネと悶える。やめてほしいわ。 「それはともかく」 「や ら な い か」 「結構ですんで、話しを聞きましょうね」 俺は咳ばらいを一つして場の空気を切り替える。 直後、会長が色っぽい声を出したがそれは完全無視した。 「俺が言いたいのはですね会長。昨晩は何もなかったという事です。 隠したいわけではなく、事実いかがわしい事を何一つしてないんですよ、俺と翠は。 だが一緒に寝てるだけとは言え、年頃の若い男女が一緒に寝ているところを第三者に見られるのは非常にまずいわけです。 そこからどんな誤解が生まれるかなんて分かりませんからね。下手すれば大問題にも連なりかねます。 そこで、その誤解が広まる前に目撃した第三者に正しい真実を伝え、誤解を解く必要があります。だから俺は今会長とお話をしに来たんです。 そこのところOKですか?」 「うむ。まあOK、理解した」
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