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ちょっと待てよ会長っ。なんでイキナリそんな…。
「よし、今から既成事実を作りに…」
「らめぇぇぇぇぇッ!!?」
部屋を出て行こうとした会長を後ろから抱き着いて止める俺。意外と大胆。
「…やはり私か?このロ…」
「犯罪ですからねッ!リアルは犯罪ですからね!」
そして今度はコブラツイスト。すげぇ、隙がねぇ。
「ふはははははッ!よいではないか!好いた女を力ずくで我が女(モノ)にするのは悪い事ではないぞ、陽ちゃん!!」
それも犯罪ですって!人権を考えて物事言ってくださいよ!
「あのですね、会長」
「七奈と呼べ」
「だが断る。そんなイキナリ一線を越えろだの、自分の女にしろだの、俺はそんなつもりありませんって」
「なんだ。昨日のあの溺愛ぶりは嘘なのか?」
「いえ、嘘じゃありませんが……どちらかと言えば、あれは家族愛…なんだと思います」
また曖昧な。こんな言い方だから食い下がれるんだよ。
「家族愛、とな?」
「はい。俺が物心ついた頃から翠と一緒に居るんで。…確かに、ときどき可愛い仕草にドキッとはしますが、やっぱり兄弟みたいな感覚ですよ、俺的には」
そう。確かに翠は可愛い。猫以上だ。
だが、恋愛の……好意を寄せる対象として見ているかと言われると、少し考えてしまう。
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