始まりは既にいつからか

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真っ暗な視界。いや、真っ黒な世界か。 また悪夢を見てるんだな、俺。 この悪夢が何なのか、見れているのに内容が白紙だから、全く理解出来ない。 起きた時には、「あぁ、また悪夢を見たのか」としか思えていないだろう。 そんな悪夢をちょくちょくと見ると、気分が悪くなる。 こんな悪夢、さっさと醒めてしまえばいいのに。     ―――――。 ん? 今、声が……いや、気のせいか?     ―――――。 ………いや、気のせいではない。 聞こえる。確かに。 その声が何を言いたいのかは、さっぱり分からない。 だが その声のする方に行けばこの悪夢から醒める事が出来る。そんな気がした。 意識を声のする方に集中させる。     ―――――――。 ………。 ………………。 …………………………。 その先に何があったのか、それは見れなかった。 だが、光があった。 真っ暗な中に光が射していた。 それだけは、なんとなく分かる。 結局は悪夢と同じで、起きれば内容を思い出せないような白紙の内容。 だったら別にいいじゃないか。気にしなくても。 そうだ。 今に戻れたのなら、別にいいではないか。
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