これはフラグの地雷原ですか?

3/8
前へ
/37ページ
次へ
「そうだ、花火大会。 美しい砂浜に美しい夜空。それを彩るは色彩豊かな火の花。 なかなか風流だと思わないか?陽ちゃん」 さりげなく腰に手を回して来る会長をあしらい、適当に相槌を打つ。 「会長、風流なのはいいですよ。でも一人の男が沢山の女の子を連れて見ていては、風流も何もない気がしません?」 「しません」 ですよね~、とは引き下がらないのが今の俺だ。 何としてでも翠と一緒に…… 「翠ちゃん花火一緒に見に行こう。てか私とひと夏の想いに身を焦がさない? てかや ら な い か ?」 花このテメェェェェェェ?! 俺の癒しを、オアシスに平気で砂をかけやがって! 「……陽、わたしと…見る」 「いやいや希沙。ここは私が陽くんと見に行くべきだと、千秋さんは進言してみるよ!」 「何を言うか恥女共が、陽ちゃんは私とギシギシアンアンしながら見たいと」 「絶対会長とは行きませんからね!!そんなはしたない娘とは行きたくありませんから!!」 「誰がうまいことを…」 「言ってませんから!まったくうまくありませんから!! あぁもう、何でこうも上手く行かないんだよ…」 うなだれる俺を気遣う癒しのオアシスはない。我がオアシスは枯渇した。 会長が女子組を集めて、どうやら浴衣に着替えるらしい。 浴衣かぁ……母さんの浴衣姿は素直に綺麗だって思えるなぁ…。 まあ当たり前か。父さんがわざわざ選抜して決めた浴衣なんだから、母さんに似合わないハズがないか。子供物だけど。 花は普通だ。何を着ても。 千秋はスパッツとタンクトップが似合う。アスリート系だから。だが浴衣姿も見てみたい。 希沙は落ち着いた色合いなら大体が似合う。 会長は……知らぬ。 だが翠の浴衣姿は過去に一度見たことがあるが、あれは素晴らしかった。 花も一緒だったが、縁日に屋台巡りをした時なんて、擦れ違う人のほとんどが振り返ったほどだ。 可愛い女の子に可愛い物を着せると、それは最早兵器となる。俺だったらヘッドショット余裕だな。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加