これはフラグの地雷原ですか?

4/8
前へ
/37ページ
次へ
キャッキャと騒ぐ女子勢を脇目に俺は一人ベランダに出る。 そこからはビーチを一望できる空間があり、幾つかの椅子とともにバーベキュー用のテーブルもある。 スペースとしてはあまり広々とはしていないが、落ち着いた空間ではある。 ま、ただ俺があの甘い空間に入って行けないだけであって、ここがパワースポットとかなんとかではない。 それにここに入れば、夜空が綺麗に見上げられる。 夏の第三角と言えばデネブ、アルタイル、ベガだっけか。どれがどれだかわからんし。 未だに星空を見て一番最初に探すのはオリオン座だ。それ以外はわからない。 『陽ちゃん、お星様を見たら、願い事をちゃんとするんだよ?そうすれば、きっといつか必ず叶うから』 母さんに昔から言われている言葉だ。 星に願いかければ夢が叶うなんて、メルヘンチックな母だとは思っている。 でも今は、少しそれを信じともいいかもしれない。 翠…たった一人の女の子と一緒に過ごせるようにと、自然て願ってしまう。 それほど翠の魅力は俺を揺さ振ってるってことか。 「……お兄」 すると突然、横から翠の小さな声が聞こえてきて、俺は飛びのきそうなくらいビックリした。 「翠、どうしたんだ。浴衣、話し合ってたんじゃないのか?」 翠は優しく微笑むと 「お兄に、選んでほしい…」 と、照れ臭そうに頬を赤く染めて、消え入りそうな声で呟いた。 それにはドキッと心臓が跳ね上がった。 ヤバいくらい、可愛くて清楚でしおらしい女の子がここにいた。 今なら言える、この一言。 惚れてまうやろぉぉぉぉぉぉッ
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加