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ま、まぁまて前田陽。お前はこんな可愛い幼馴染みが「浴衣を選んで」と言ってきて、生着替えを期待するなんて横縞な考えにもほどがあるぞ。
いや翠なら本気で頼めば渋々やってくれるかもしれんが、渋々って何だよ?!自分にツッコミを入れてしまったではないか!
「ぁぅ……お兄…鼻の下伸ばして……えっちな事、考えてたの?」
う…顔に出ていたのか?恥ずかしい限りだ。
「そ、そんなワケないだろ!?俺はいくら妄想しても、幼馴染みの体でいやらしい気分になるような変態さんじゃないからな!俺は至って紳士だ!」
「ぅ、うん……………お兄なら…いいのに…」
翠は何やら残念そうな顔で何かを呟いたが、気のせいだろうか?
まさか自分で妄想してとか言うような痴女ではないと思うし、やはり気のせいだな、うん。
「ま、まあ翠に似合わない浴衣なんて、ないからな。俺じゃなくてもいいんじゃないか?」
「う、ううん……お兄が選んでくれたのを…着たいの」
まったくもう男心をくすぐるなぁこの天然小悪魔め、可愛いではないか。
俺が暖かい眼差しで翠を愛でている、そこに水を差して来る我が妹の花。
「どうだぃお兄ちゃん。
カッコヨイダロゥ?\(◎)/」
「なっ」
「ほらほら翠ちゃん、双頭バ○ブ持って着てるから浴衣プレイしない?私翠ちゃんになら初めてをあげていいよ?」
向日葵の模様の入った黄色の浴衣を、ちょっとはだけさせて翠に迫るこの馬鹿妹をどうにかしたい。
「おい花。お前はどこでそんな物を購入したのだ?」
「am○zon辺りで拾いますたw」
クソッ、家にそんなのが届いた記憶はないからコンビニに送ってもらったな?く、盲点だった。
「そ、そうと……花ちゃん、何なのそれ…」
「快楽だけを与える、非生産的な大人の玩具だよ」
言いやがった。翠相手に言いやがりましたよこの妹。
純情な翠を汚すなよ、この汚染物質の根源のようなオタクが。
「翠、気にしないでいいから浴衣を選ぼう」
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