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ある晴れた春の日
樹齢100年を超えた木には精霊が宿る。
とある村にはそんな言い伝えがあった……。
「ねぇ、あの女の子は誰? 」
少年が何気なく口にした言葉。
大人たちは「少女なんてどこにもいない」と少年の言葉を否定する。
そんなやりとりは何度か繰り返された。
周りの大人たちは気味悪がり、少年を見ると囁きだす。
いつしか少年は気付いた。
他の人には見えていないのだと。
自分も『見てはいけない』のだと。
その日から少年は『見る』ことを止めた。
そして、少年は人と関わることも止めてしまった。
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