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トモヤがつけた名前を気に入ったのか桜花は自分の名前を繰り返し呟いた。
「私は桜花。あなたは? 」
先程のトモヤの真似だろうか、桜花は自ら名を名乗り、トモヤに名を尋ねた。
「俺は友哉、よろしく」
「よろしくね」
トモヤはそれまでにないくらいの笑顔で桜花に答えた。
トモヤの笑顔を見て桜花も笑顔で返した。
「トモヤ!! 素敵ななまえをありがとう。」
そう言った桜花も今までで最もいい笑顔であった。
そしてトモヤはなぜ彼女、桜花のことを知りたいと思ったのか気付いた。
彼女のことが好きなんだ、だから知りたいと思ったんだ。
今まで人を避け続けた少年、トモヤの初恋である。
いつから好きになったのか分からない。
何がきっかけだったのかも分からない。
ただ気づいたら好きになっていた。
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