春の約束

2/11
前へ
/31ページ
次へ
自分の気持ちが分かってからもトモヤは祠に通い続けた。 桜の写真も撮っていたが、桜花に逢うことが目的になっていた。 桜花のことを知りたいと思う気持ちは強まるばかりだった。 互いに自分のことを話したり、なんでもない話を毎日秋もせず繰り返した。 トモヤはこんな毎日がずっと続いていくと信じて疑わなかった。 しかし、幸せなときは長くは続かないものだ……。 ある日、トモヤが祠に行くと桜花がいなかった。 こんなことは今までなかった。 桜花はどうしたのだろう……。 もしかして、ここを離れてしまったのだろうか。 「桜花? 桜花!! 」 トモヤは必死に桜花の名前を呼んだ。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加