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少女の声は聞こえていたが、トモヤは歩みを止めることなく歩き続けた。
「待ってってば!! 」
「……! 」
少女はトモヤを追いかけ腕を掴んだ。
トモヤは突然腕を捕まれたことに驚いていた。
今まで人でないものがトモヤにここまで干渉してくることはなかったのだ。
むしろ、今までの人でないもの達には触れることも触れられることもできなかったはず……。
なぜこの少女だけが別なのか……顔には出していないがトモヤは混乱していた。
この寂れた祠の周りで人でないものに出会ったことはなかった。
木や花の精霊ですら出会ったことは無かった。
なぜ今日になって急に少女は姿を見せたのか。
トモヤには分からないことばかりだった。
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