ある晴れた春の日

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気付けば日は傾きだんだんと暗くなってきていた。 春とはいえ朝晩は寒いくらいの季節。 日が落ちるのも早い。 「俺、そろそろ帰る」 ずいぶんと長い間少女と話し込んでいたらしい。 トモヤが祠に来たのはお昼過ぎのはずだが、今にも日が落ちてしまいそうだ。 慣れているとはいえ、ここは山の中。 日が落ちとしまえば街灯もなく辺りは真っ暗になってしまう。 明かりを持っていないトモヤが暗闇の中山を下りるのは危険である。 「……また来てくれる? 」 「……さぁな」 少し不安げに見上げてくる少女の問いに短く答えるとそのままトモヤは踵を返し歩き出した。 「またね!! 」 トモヤの背中越しにに少女の大きな声が聞こえてきた。 トモヤは片手を軽く上げ答えると振り返ることなく山を下りていった。
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