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「乱交パーティー?」
県立唐松高校二年三組の教室の隅に、男子生徒が二人。
放課後になってからしばらく時間が経っていて、その二人以外の生徒の姿はない。
片方はクラスでも人気の高い所謂イケメンの男。
イケメンの男は窓際の一番後ろの席に退屈そうに座る男に必死に話掛けている。
「そうだよ。会費として千円貰うけど、あの花島とかともヤれんだぜ? どうだ?」
「……お前、これから大学受験やら就職だってのに、ンナ危ねぇ事すんの?」
「なぁに、バレやしないって。で、どうだ?」
退屈そうにする男は、ただ一言。
「パス」
「……どうしてもか? 花島だけじゃねぇぜ? 油木とか前川とか、」
イケメンの男の話を遮る様に、退屈そうにする男はもう一度、
「パス」
「……、」
イケメンの男は退屈そうにする男の屈強な意思に呆れてしまう。今、イケメンの男が上げた名前は学校全体で噂になる様な美女達の名だ。
「……ちくんなよ」
「んな事しねぇーよ」
チッ、と忌ま忌ましそうに舌打ちしたイケメンの男は、挨拶もせずに教室から飛び出す。
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