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12話目 罪
「…」
「ぷっは。そんな怖い顔しなさんなや。イケメンが台なしやないか」
光流を睨みつける僕。
目を細め笑いながら僕を見る。
「まぁ、ええわ。」
「なんで拷問にしたわけ??」
「痛いのいややもん」
「違うだろ」
お互い腹を探り合う様に会話が始まった。
「ぷっは。ワイは肉体戦正直苦手やねん。メモリー能力がこんなんやから先頭に立って戦うよりサポート専門」
「だから拷問に…」
「おわかり??」
猫や狐の様に細い目で笑いかけてくる。
「はじめよか」
ぱんっ。
"手拍子"。
次は何が現れる?
「各隊にはそれぞれ配属地ってのがあるねん。ワイは死んだやつらの記憶消去率を計算していくんや。
記憶消去率っつーのはな。
記憶が消えるのを少しやけどコッチで左右できるんやで」
「記憶の有無の権利は全て光流の隊が持っているってことか」
そんなことも可能なのか。
この世界に合わした発展を遂げたらしい。
「新の記憶を弄ったのわワイや」
「それがどうした…??」
「因みに千秋って子もワイが担当したんやで。びっくりやろ」
相変わらずへらへらとした笑みを浮かべながら偽物の千秋の肩に腕をまわす。
「つーまーり、やな新」
「…??」
「ワイは新の現世での記憶全部知っとんねん。もちろん千秋も」
「だから??」
「いやぁー。最初驚いたわぁ…」
話が読めない。
光流のペースに持って行かれ気味。
「まっさかぁ…。あんたが殺した女2人が」
「…ッ」
「千秋の姉と母親やなんてなぁ」
衝撃が頭を襲う。
なんで、なんで僕の回りにはこんなに僕のせいで命を奪われた人がいる。
どうしようもない罪悪感が胸を殴る。
呼吸が徐々に上がり出す。
「他にもおるんやろ??」
「新のせいで死んだやつらが」
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