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13話目 起爆
「しっとる??君の現世での呼び名」
喋りつづける光流。
呪文のように耳にスラスラ入る。
「"15歳の狂人殺人鬼"」
「ッ」
息が乱れているのが自分でもすぐ分かる。
肩がだんだんと上下していく。
「当日15歳だった少年Aは繁華街の中を約5キロの間で大量無差別殺人を行った。繁華街にいた人は約500人」
「……ッろ」
「そのうち87人が重傷」
「や………」
「死者数」
「25…「やめろッッ!!!!!!」
ズガンッ!!!!!
爆発が起こった。
爆発の規模は千秋の一件より倍近くだった。
僕は目の前が真っ白になった。
もしかしたら、はったりかもしれない。
そんな期待をしていたが自分でもなんとなくそれが事実だと直感的に理解していた。
「うっわぁー。怖い怖い」
爆発で出来上がった煙から光流が無傷で出てきた。
あどけない喋り方は変わらず。
「新のメモリー能力の発動条件は"焦り"を主軸とした"感情"や」
僕に指差しメモリー能力の発動条件についての解説をはじめる。
「"感情"による"興奮"が引き金になって起爆するみたいやな。その中でも1番威力が強くて起爆しやすいのが"焦り"の"感情"や」
"焦り"……。
たしかに、千秋の時は吸収蠅の行動に対して
今は光流の言動に対して
自分に"焦り"があった。
「一般人ならマイナスで弱点になる"焦り"の感情が新にとっては最大の武器になるっちゅーことやな」
嬉しそうに話す光流。
「これが、新の能力や」
これが、僕の能力。
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