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人は誰しも人を恨む
2話目 12月地区
三途の川を出て12月地区へと移動中千秋が軍人たちから聞き出した死後の世界についていろいろと説明してくれた。
千秋の話をまとめればこう。
さっきまでいた三途の川は死者たちが死後の世界にいく為の関所だということ。
死後の世界では、現世での死亡理由で身分の位が決め付けられる"死亡階級制"が用いられていること。
死亡理由で死後の世界で住んでいく場所の治安状況が変わること。
「あとは、能力メモリーだね」
能力メモリー。
人は皆、神の子である。
人は皆、生まれながらなんらかの才能に恵られている。
神に選ばれた使徒が世界のいろいろな分野で能力を開花させる。
現世でよく騒がれている超能力。
あれは決してはったりなんかじゃない。
超能力を使いこなすものは皆、神に魅入られた使徒の一人なのだ。
死後の世界では超能力は使えないのが残念だ。
現世で超能力を操れば操るほど力は衰え、死亡後には消滅していく。
個人差がある上に、力の屈指に不規則なのが超能力が認められない理由の一つだろう。
「メモリーがある人はみんな軍人になるんだって」
軍人。
メモリーがある死者は軍人として死後の世界で働く。
己のメモリーを使用し、現世でさ迷い理性をなくしたマイナス分子(通称 咎人)を苅ることを主とした軍隊。
他にも、たくさん仕事をやっているらしい。
「あ、ついたよっ!!」
千秋と話している間に12月地区に到着した。
「「…………」」
唖然。
「森だよね。ここ」
目の前には豊かな自然が広がっていた。
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