0人が本棚に入れています
本棚に追加
螺旋階段は思い出
教室は奇跡で
グラウンドは記憶で
屋上は愛情でした。
まさか、彼氏が浮気しているなんて思ってもみなかった。
夕暮れの屋上に座っている、馬鹿みたいな私は橙に染まる空を見上げた。
橙の光は屋上まだも自分の色に染めてしまうのか。
そのまま、私もその光に包まれて、消えて行けたら……
そんなことを思いながら私はひとり、馬鹿みたいに泣いていた。
螺旋階段は掠り傷
教室は火傷で
グラウンドは切り傷、
そして、屋上は刺し傷なのだ。
きっと、私はいつか彼を忘れなければならないのでしょう。
あまったるい香水を体にまとわりつけた彼が憎い。
憎くて忘れられない。
けれど、優しく微笑んでくれた彼が愛おしくてしょうがない。
愛おしくて忘れられない。
最初のコメントを投稿しよう!