第1話 真実の鏡

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「みっさとー!一緒に帰ろう?」 「え?良いけど…、今日は部活ないの?」 「…あはは、たまには息抜きも大事でしょ?ね?この雪美さまが帰りにジュースを奢ってあげよう!」 「ったくもー…、明日からはちゃんと出るんだよ?」 「わかってるって!」 ……きっと、明日も同じようなこと言ってサボるんだろうなぁ…。 そんなことを考えながら、私は先の見えている未来に溜め息を吐いた。 ファイル1 名前:北野 美里(キタノ ミサト) 在学:滝下中学校3年生 部活動:帰宅部 家庭:父母は死去。兄と2人暮らし ファイル2 名前:坂野 雪美(サカノ ユキミ) 在学:滝下中学校3年生 部活動:陸上部 家庭:父母、弟の4人家族 約束通り奢ってもらったジュースを片手に近くにある公園のベンチへと腰を下ろした 雪「ぷっはぁぁぁあああ!いやー、やっぱり学校が終わると1日が終わった気がするわー」 美「ちょっと、雪美。ちゃんと足閉じて座りなさいよ。女の子でしょ?」 雪「こんなの誰も見ないって!」 美「そういう意味じゃなくて……」 少しは周りの目というものを気にしてほしい、という説教じみた言葉をジュースと共に飲み込む。 やはり家庭の違いがあるのだろう。…そう思うと少し胸が重くなった。 雪「あ、そうだ。これ見てよ!」 美「…雪美!学校に携帯なんか持っていったの?」 “勉学に関係のない電子機器類等の持ち込みは禁止とする” 恐らく、殆どの中学校の校則に書かれていることだろう。 雪「だいじょーぶ!バレなきゃいいんだよ。大半の子は持ってきてるし、美里は真面目すぎだよ。」 美「そうかなぁ…」 そもそも持ってないけどさ……欲しいって思ったことはなくもないけど……。 雑念が頭を支配する中、気を紛らわそうと雪美の携帯画面を覗き込んだ。 美「真実の鏡…?」
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