3人が本棚に入れています
本棚に追加
雪「そう!これをやれば、知りたいことをなんでも教えてくれるんだって!」
美「へぇー…。」
雪「反応薄っ!美里は知りたいことないの?誰も知らないけど気になることとか。」
美「気になること……」
『お兄ちゃん』
『どうした?美里。』
『お母さんとお父さんは、何が原因で死んだの?』
『……美里、大丈夫だよ。』
「大丈夫」とか、「平気だ」って励ましてくれてたけど
お兄ちゃん、答えてくれなかったなぁ…
雪「美里?みーさーとー?」
美「あっ、ごめん。少し考えたんだけど…知りたいことあったよ。」
雪「じゃあ、やってみる?」
美「え……?」
雪「手順なら教えてあげるよ?聞いても、失敗とかないみたいだし。」
美「………。」
お母さんとお父さんが死んだ理由。
私にお母さんとお父さんがいない理由。
『おにいちゃん。おかあさんは?おとうさんは?』
『わからないと、おかおがかけないよ。』
『どこにいるの?』
『なんで、みさとには
おかあさんとおとうさんがいないの?』
―――返ってこなかった答え。
美「雪美、やり方教えて。」
私がそう言うと、雪美はカバンからノートと筆記用具を取り出した。
雪「オッケー!これから書き写すからちょっとお時間いただきますよっと。」
美「あ…なんかごめん。」
雪「いいって!勧めたのは私だし。最後まで責任取るであります!」
こうやって明るく笑い飛ばしてくれる雪美に、私はいつも助けられてる。
同じようにとはいかないけど、私も雪美に笑ってみせた。
最初のコメントを投稿しよう!