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一度、母が亡くなって間もない頃。
当時10歳の私には耐えきれなくて、夜中に包丁を持ち出し部屋で自殺をしようとしたことがある。
ドラマでもよくあるように、手首に刃を滑らせた。
するとーージワジワッと少しずつ血が滲みでてくる。
我慢していた涙が出るように血が流れて行く…
そしてーーキリッと痛む傷口が
モヤモヤした気持ちを忘れさせてくれたんだ。
“ゴメンねぇ…ママ。代わりに私が死ねばよかったのにね。”
“どうして私を置いて逝っちゃったの…”
“私が死んでも誰も哀しまないもんね。”
私は流れ出てくる血を眺めながら、答えなんて返ってこない問いを続けた。
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