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しかし…しばらくして
タクシーの運転手をしているため深夜に帰ってくる祖父に見つかり…
“娘に続き、お前まで失うぐらいなら、ワシも連れていけ。”
と止めることなく、
包丁を握った私の手に
自分の手を重ね、刃先を自分に向けた祖父。
“ゴメンなぁ。何もしてあげられへんくて。”
と祖父の涙を面と向かって見たのは
生涯、この時が最初で最後だった。
さすがに私は
そんな祖父を巻き添えには出来ず、包丁を握る手を離した。
“大丈夫。私には祖父がいる。”
そう自分に言い聞かせた。
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