98人が本棚に入れています
本棚に追加
祖父のためと自分自身に言い聞かしながら、できる限りは家事も手伝い、なるべく祖母と揉めないように心掛けた。
まるで人形のように…
自分の感情を捨てて。
それでも、自分自身を見失わないために、私はカッターをカラダに滑らせた。
所謂“リストカット”
死にたいから切るんじゃない…
ただ…私が生きていると実感できるのは、痛みを感じている時だけだった。
スーッと流れ出た血は涙の変わり
モヤモヤとした感情が血と共に抜けていく。
“大丈夫。ちゃんと生きてる”
と自分自身を確かめるため。
バイトを始めてからはユニフォームを着なくてはいけないため、傷痕が見えないように手首ではなく、足首や二の腕を切りつけた。
バイト先に迷惑を掛けてしまうようなことはしたくないし、バイトをクビになることは一番避けたい。
.
最初のコメントを投稿しよう!