~第3章~

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 祖父は私がどんなに悪いことをしたとしても、怒ることは一切しなかった。  例え私が警察に補導されようが、ひたすら頭を下げ続け… 帰りには 私を責めることもなく 「珈琲でも飲みにいこか?」 と私に笑顔を向ける。  勿論、そのことを誰かに話すこともなかった。  そんな優しさに私は素直になれず… 「怒ればいいやん!!」 と祖父を責めたことだってあった。  それでも、変わらず笑顔を向け 「自分で悪いことしたって分かってるから、もうええやん。」と…。  そんな優しさは何故か私を痛め付けた。 .
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