~第1章~

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ーーーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーー ーーバンッーー 空になったグラスがテーブルを埋め尽くしていく。 「おかわり~。」 「私も~。」  久美は部屋の隅で すでにダウンして寝てるし…  向かいの席では啓子が泣きながら失恋話…… それを宥める由希。 “私もこうして泣くぐらいの失恋をしてみたい。” なんて…  私には“誰かが好き”ってことすらよく分かんないのに無理だよね。  相手なんて“嫌い”じゃなかったら、誰だっていい。  来る者拒まず、去る者追わず主義だもん… 「もうすぐ卒業だね~。」  向かいの席を眺めながら、愛がグラスを傾け私に話し掛けてきた。 「せやなぁ。な~んか早かったなぁ~。」 「働いてばっかりやからちゃ~ん(笑)」 「確かに…(笑)」 .
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