序章

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例えば、の話をしよう。 こんな問いをされたら、あなたはなんと答えますか? 「嘘について、どう思う?」 嘘。 事実を隠して、さもそれが存在したかのように違うことを言う行為。 私の経験からして、大概の人はこう答えるだろう。 「最低」だと その言葉を否定する気はない。 事実がどうであれ、確かに嘘は良くない行為だと思う。 情報の認知が違う程、人間の関係が崩れていく。 事実がどうであれ、行く末そうなってしまうだろう。 人間、欺瞞し続けることは不可能なのだ。 けれど、最低と答えたあなた。 あなたは嘘を吐いたことはありますか? 欺瞞し続けることが不可能なのと同じように、事実だけを信じることもまた不可能だ。 嘘を吐かなきゃ、生きてはいけない。 でなければ世界の醜さに耐えられない。 だから嘘。 嘘に嘘を重ねて、人は生きている。 さて、長々とすまない。 これはあくまで例え話で、私の憶測のようなものだ。 私とて、嘘を吐く生き物なのだ。 そんな私の勝手な説教だとでも、思ってくれればいいだろう。 さぁ、物語を始めよう。 嘘に染まった嘘だけの物語へ。 .
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