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「綾部さん。君は…この厳原が、高校の時の後輩かな?」
「はい。1つ違いで。」
「陸上部の?」
「いえ、野球部です。」
大介が身を乗り出した。
「詩織ちゃん星河高校野球部唯一のマネージャーだったんですよ!いやー、詩織ちゃんが注いでくれたスポドリなんかもう―――」
「君と『渡辺美香』さんとの関係を、簡単に教えて頂けないだろうか?」
「聞いてねぇっ!!」
大介が仰け反り、ソファーの背もたれがぼすっと音を立てた。
「大学のクラスが一緒で、地元が一緒だってわかってから仲良くなって…」
「ふむ。…ちなみに失礼ながら、どこの大学に?」
「菊ヶ原の、経済学部です。」
「マジで!?菊ヶ原って、かなり有名なとこじゃなかったっけ!?」
大介がまたもや身を乗り出す。
目を輝かせている大介を見てか、詩織の顔がほころんだ。
「頑張って勉強したんですけど、塾の模試の判定はずっとEかDで…。まぐれで受かっちゃったようなもんですよ。」
「いや、菊ヶ原はまぐれで受かるようなところじゃない。…受かったのは、君の実力だろう。」
「そう…だといいんですけどね。」
詩織が可愛らしく、子供のような照れ笑いを浮かべた。
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