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「綾部さん、そんなに心配しなくて良い。……これで5回目だ」
廉也が眉ひとつ動かさず言った。
「そろそろ学習しろ、厳原。」
「いったぃ…なぁもうっ!ちょっと廉也さん!少しは心配してくれたっていいじゃないっすか!!っていうかわざと立ちませんでしたか!?」
「故意にだが、何か問題でも?」
「え…あぁ、いえ別に。すいません。……って何で俺が廉也さんに謝ってるんですか!?」
「知らん。」
「大介先輩、先輩が謝らなきゃなのは、風越さんじゃなくてソファーですよ?」
「あぁ、そうだよね。…ごめんねソファー君。体当たりした俺が悪か――」
「菊ヶ原はここから電車でどれくらいだろうか。」
「40分くらいです。」
「ボケ殺しだぁーッ!!ねぇちょっと1人くらい見てて下さいよぉ!!これじゃ俺、1人でソファーに話しかける変な人みたいじゃないっすか!!」
「騒がしいやつだな。お前の一人漫才を見ても何の意味も無い。そしてお前は……元から変だ。」
「そんな淡々と言われてもなんの説得力もありませんよそしてキッパリ言わないで下さいよ傷付きますよッ!!そして詩織ちゃん!何でグルになってたの!?」
「面白かったので。」
「そんな笑顔で言われたら『それは良かった』って言うしか無いじゃんかよーぅ!」
ソファーにダイブする大介をよそに廉也はさっさと準備を済ませ、詩織に手招きをした。
「詳しい話は本人に聞くとしよう。綾部さん、案内を頼む。」
「はい、わかりました。」
廉也と詩織は事務所を後にした。
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