3人が本棚に入れています
本棚に追加
「っ!!……何だ廉也(レンヤ)さんか。驚かせないでくださいよぉ。」
大介がふーっと溜め息をついた。
「先輩…私のこと、風越(カザゴシ)さんになんて話したんですか?」
「え?」
大介が怪訝そうな顔をした。
「俺はちゃんと、『明日俺の後輩の詩織ちゃんが相談しに来ます』って言ったけどな。」
「それを世間では『ちゃんと』とは言わん。」
廉也がさらに顔をしかめ、呆れたように続けた。
「しかも自分の発言すら間違えている。正しくは、『廉也さん!明日俺の後輩の詩織ちゃんがくるらしいんでお願いしますね!…じゃ、俺は今から飲み会あるんで。お疲れっしたー』だ。」
「さすが廉也さん!細かいとこまでよく覚えてますね!」
あははと能天気に笑う大介を見て、2人は大きく溜め息をついた。
「先輩……変わってませんね。」
「君もこんな愚かな先輩がいて大変だな。」
「あ、廉也さん。今俺のことバカにしませんでしたか?ねぇ、バカにしましたよね?」
廉也は大介から目を逸らし、再び詩織に向き直った。
最初のコメントを投稿しよう!