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「そんなとこで何してんだ?」
窓の外を見てたら、男の人に話し掛けられた。
バッジをしていないから、教師だとすぐに分かる。
「クラスに集まる時だろ。早くもサボりか?」
私の目の前までやってきて、目線を合わすように少し屈む。
「お前、格闘派クラスになった月影 黒だな?俺は山祁 空。格闘学を教えてる。」
どうでもいい。
人間というものは、
どうしてこうも名前を名乗りたがるのか謎だ。
「そんな死んだような目しやがって…もっと笑えよ。」
何も言わない私の頭に、先生はそう言って手を乗せる。
私はその手を払い除けた。
「…触らないで…。」
それだけ言って、私は屋上に向かうことにした。
「はぁ…。冬美と同じクラスか…あいつは黒にどう接するか楽しみだな。」
そんな先生の呟きが聞こえてきたけど、私には興味のないこと。
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