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朝、一人の青年が目を覚ます。
?「ふぁ~あ…」ポキポキ
ベッドの上で一度欠伸。そして首を軽くひねって骨を鳴らす。
それをした後、その青年‐風見 秀希〈カザミ ヒデキ〉‐は周りを見回す。いつもの自分の見慣れた部屋。狭いボロアパートの一室。小さな冷蔵庫と、その上に置かれたコップと水の入ったペットボトル。そして玄関に続く廊下にあるキッチン。
こんなアパートだが一応風呂とトイレもある。
何気なく壁に掛けてある時計に目を向ける。時刻は9時30分、学生であれば完全に遅刻確定した時間帯。
しかし秀希にはあまり関係ない。学校は先々月卒業したし、今日は仕事が休みで久しぶりになにもないフリーな日なのだ。
つまり二度寝、三度寝しても邪魔する奴も注意する奴もいない。
両親は他界し、遊びに行くような仲の良い友達もあまりいない。
秀「今日という日を大切に…zzz」
再びベッドに横になり寝入る。
このとき、顔でも洗って朝食でも食べていたらあんなことにはならなかったのかもしれない。
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