お互いの思い 【奈緒子Side】

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麻矢ちゃんがいつも以上に冷たい。 ちょっとショックを受けて卑屈になってしまった。 「別にいいよ。話があった訳じゃないし……」 「だったら早く事務所戻って下さい」 「……」 「聞こえませんでした? 危ないから戻って下さい」 「ねぇ、そんな冷たい言い方しないでよ……」 「私なりの優しさですけど」 「……分かったよ。やっぱり麻矢ちゃんは平気みたいだね。苦しい思いしてるの私だけなんだ」 「全然平気じゃないですよッ!」 「……!?」 急に語気を強めた麻矢ちゃんに驚き、伏せていた顔を上げる。 すると、麻矢ちゃんは少し泣きそうな顔をして私から目を逸らした。
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