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話の流れからして、麻矢ちゃんは溶接の準備をしてここに戻って来るはず。
どうせ今日はヒマだし、ちょっと様子見てようかな。
もう麻矢ちゃんが足りなくてどうにかなりそうだし。
「どうしました?」
「……ひっ!」
男の人の声にビクッとして振り向くと、グレーの作業服を着た若いイケメンがそこに立っていた。
「総務の方ですよね? その制服」
「そ……、そーですが」
「何かご用ですか?」
親切なイケメン!
……って、ちょっと前の私なら舞い上がってたに違いない。
けど、今は違う。
今の私は……
麻矢ちゃんだけだ!
「いえ、ちょっと工場見学中なんです。気にしないで下さい!」
私はそう言ってそそくさと場所を移動した。
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