捕らわれた兎

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今私は高級マンションの一室にいる。 もちろん、あのぶつかってしまった狼に連れてこられたのだ。 あの後、ぶつかっていない方の狼とは駅で別れ、私は責任を取る為にこの狼の自宅に連れてこられた。 先程から顔をあげる事が出来ず、下ばかりを見ている。 全身から冷や汗が出て止まらない。 頭の中にはこれからどうなるのだろうという、不安と緊張と恐怖だけだった。 上手く息を吸う事すら忘れてしまったようだった。 手を引かれ、バスタオルを渡されると脱衣場に入れられた。 「風呂入って。上がったら足消毒するから…。」 そう言い狼は扉を閉めて出て行った。 足を怪我していた事に気づくが、それどころではない。 言われた通りお風呂に入るが思うように体が洗えず、洗い方を忘れてしまったようだった。 手が震え上手く洗えない。しかし、長時間入って待たせる事も出来ない。 (ど、どうし…よ…う!! 私、これからどう…なるの…?) .
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