捕らわれた兎

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何とか洗い終え、バスタオルで体を拭きここで着替えがない事に気付く。 畳んで置いてあった服がなくなっていた。 どうしようかとバスタオルを体に巻き、考えていると遠慮がちに脱衣場の扉が開いた。 「…来て。」 そう言われ、狼に再び手を引かれ次は寝室に移動する。 そこには人が十人くらい寝れそうな広さのベッドが置いてあった。 「ここ座って…!」 そう言われおずおずとベッドの端に腰掛ける。 またもや狼は部屋を出て行ってしまった。 (わ…私、こんな格好で、ここにいるって事は……) 泣きそうになりながら一生懸命、頭の中にある考えを否定する。 そして、狼は救急箱を片手に寝室に戻って来た。 床に救急箱を置き、中から消毒液と絆創膏を取り出す。 膝まずいた状態で雪乃の膝の治療を始めた。 .
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