捕らわれの兎と純粋なる獣

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少し早く家を出たせいかバスが来るまでに時間があった。傘をとじ、バスが来るまで並んで待つ。 すると、隣に人が並んできた。 傘をとじている様子で、ふと隣を見ると自分より身長がはるかに高く、ちょうど自分の目線の先に相手の肩が見える。 傘が小さいのか肩が濡れており、スーツに雨が染みていた。 慌てて雪乃は鞄からハンカチを取りだし、声を掛けた。 「あっあの、良かったらどうぞ…! 肩が濡れてますよ…?」 ハンカチを差し出すと相手がこちらに気付き振り向く。 雪乃は振り向いた相手を見て氷ついた……
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