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「(こりゃあ、意外と厄介な事が起こって……)」
……って、あれ!?声が出てない!?
…何故に!?と思いながら、目の前を飛び回る虫の魔物を詳細探査をすると…
詳細探査結果：カジャルセ。
亜空間に住まう羽虫の魔物。音と魔法陣を喰らう。
と出た。
え、音を喰う？
虫じゃなくて蟲だったの!?
その内、この静寂を喰らうでんでん虫的な虫が出て来ちゃったり!?
…ないか。
とりあえずツェル先生が窓から顔を出した部屋に行ってみようっと。
因みに研究棟には、ツェル先生が結界を張っているから虫達は研究棟外へ出る事が出来ない。
入って来る分には対応してないみたいだけどね。
そして、声が出ない故に詠唱が出来なくて、魔法が使えない事に若干の焦りを見せたマーズとシオンに、
「あんだけでかい口を叩いたんだから、魔法が使えなくたってこれぐらい平気でしょ？」
という無言の笑顔を向けて先頭へ追いやり、私は楽をしながら部屋まで向かう事にした。
いやーしかし…頭を潰さない限り、斬ったり叩き落としたりしてもまた飛び回るって…
…何の『奴ら』的な？
ギターを持ってるからうっかりさー、
「潰えた希望抱えー赤い雨を払い走ったぁ～夢中にぃー♪」
とか、魔物に喰われて他の人には聞こえない声と音で「HIG〇SCHOOL OF THE D〇AD」を弾きながら歌ってみたり………
してみたら、意外な事が起こった。
……GLP(ｷﾞﾌﾞ〇ﾝ･ﾚｽﾎﾟ〇ﾙ)、音出てるお？
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