第一章[新たな風]

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歩いていると多馬大橋、別名”変態橋“に着いた。 遠くを眺めれば、あちら側は東京都だ。 「みんなーーーっ、おはようーーーっ!!!!」 「やっ。(挙手)」 「おはよ。」 走ってきた川神 一子(カワカミ カズコ)に挨拶。 「おうワン子。」 「おはようワン子。」 続いてガクト、モロと挨拶する。 「なんか川辺で大勢のびてたけど、お姉様?」 「ああ。つまらない相手だったな。」 「あはっ、やっぱり凄いや!」 なんともない風に言う姉さんに、ニコニコと人懐っこい笑顔で応えるのは、川神 一子(カワカミ カズコ)。 色々事情があり川神院に引き取られた。 姉さんとは義姉妹になるが、とても仲は良い。 俺達幼なじみの1人だ。 「ワン子。今日はひきずってるタイヤ2つか?」 ガクトが聞く。 「うん、その分川沿いに東京都まで行ってきたよ。」 「昨日は静岡まで走りに行ったのに、元気だね~・・。」 ワン子の返事に、モロが答える。 「いっぱい鍛えないといけないもん。アタシはお姉様に比べると、まだまだだから。」 「健気だろ?どうだ、自慢の妹だぞ。」 「いやー、照れるなー。」 姉さんの言葉にワン子が反応する。 「百兆円で売ってやろう。」 「え?アタシ売られちゃうの?そ、そんなぁ~・・。」 姉さんの言葉に少し涙目になりながら、プルプル震えだすワン子。 「冗談だよ。本当にそうなっても、金だけ奪ってお前は売らないさ。」 「さすがお姉様♪強くて素敵。」 すぐにネタばらしした姉さんに、ワン子がすり寄る。 「いずれお姉様と肩を並べる強さを手に入れるわ。」
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