439人が本棚に入れています
本棚に追加
「この人が2人とか勘弁してくれ。」
「んー?今のは聞き捨てならないな舎弟。」
俺のぼやきに、姉さんが反応する。
そして、頭を手で圧迫された。
「痛い痛い!!景色がかすむ!!」
「鞄を持たせないだけ、優しい姉貴分だろ?」
「あれ?アタシ達のアタマがいないじゃん。」
姉さんとそんなやりとりをしていると、ワン子がキャップが居ないことに気付く。
キャップとはこのグループ“風間ファミリー”のリーダーで、名前を風間 翔一(カザマ ショウイチ)という。
いつも頭にバンダナをしていて、同じ寮に住んでいる。
「消息不明。」
ワン子に簡単に答える。
「ま、よくあることかなー。」
そう、キャップは放浪癖があり、こういう状況は、よくあることなのだ。
なので、俺達の中では誰も気にしない。
俺達と合流したのでワン子も一緒に歩くことになった___。
タイヤを引きずりながら。
「歩くときぐらい、トレーニングはよそうぜ?」
「私はいついかなる時も鍛える事を忘れないのサ。」
ガクトの言葉にワン子が応える。
「タイヤ引っ張る子と歩く、僕達が恥ずかしい。」
「この内気。だからアンタはモロなのよ。」
「師岡は生まれついての名前なんだよ!否定しないでよ!」
ワン子とモロが騒ぐ。
最初のコメントを投稿しよう!