第一章[新たな風]

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「前回の新聞からグレードアップしたね。」 京がテレビを見ながら言う。 クラス中(主に女子)が一気に賑わっていた。 「だから何だってんだ。いちいち騒ぎやがって。どっちかっつーと痛い部類じゃねーかよ。」 そう口にしたのは大串 スグル。 彼は大和達グループの1人、師岡卓也と特に仲がよく、二次元人らしい。 それを皮切りに、男子の多くは面白くなさそうな意見を口にする。 「なんとまぁ、いつもながら目立つ人だね。」 そう口にするのは熊飼 満、通称”クマちゃん“。 彼は食通で、様々な店や食べ物に詳しいらしい。 「・・・」 そんなクマちゃんの言葉に黙る大和。 なんだか大和らしくないなと思い声をかける。 「・・・なんだか浮かない顔してるが、どうした?」 「いや、心労が増えるというか・・・。」 「相手を追いかけた理由がまたキャップらしい・・・。」 そう言うのは卓也だ。 「なんつーか、お疲れ様?」 「おう、ありがとう。」 どうやら大和達のリーダーは、自由すぎる男みたいだ。
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