第一章[新たな風]

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そんなやり取りをしていると、隣の島津家が何やら騒がしかった。 ちなみに、この島津寮は島津家が管理している。 島津家は昔からここら辺に土地を持っていて、その一部を色々な所へ提供してくれているのだ。 「ほらーっ、ガクト!早くしなさいよ!!大和ちゃん達行っちゃうよ!」 中から麗子さんの声が響く。 麗子さんとはこの島津寮の管理人で、俺達の幼なじみの1人、岳人の母親だ。 「うるせーな!あんまり恥かかせんな母ちゃん!」 「やぁ、名前負け。」 「いきなり喧嘩売ってんのかてめー!」 「冗談だ。今日も超かっこいいぞ。」 「おいおい、よせやいいきなり本当の事を。」 この筋肉が服を着て歩いているようなのは島津 岳人(シマズ ガクト)。 俺達幼なじみの1人で、同じ2年F組だ。 「どうだ京。今日の俺様いつもよりイけてるだろ。」 「具体的にどこが?」 「髪型とか、ビシッと決まっててメスホイホイだろ?」 「変わらないけど。」 「はんっ、俺様はお前が心配だぜ京ちゃんよぉ。」 京の無表情の返答に、岳人が自信たっぷりに言い返す。 「何その不快な上から目線。」 そんな岳人の自信に気付いたのか、京は呆れた様な目で返事をする。 「男の大和でさえ俺様にモテオーラ感じてるってのに。」 「あれ俺何か言ったっけ?」 当然、ここはとぼけておく。 「今日も超絶かっこいいと本当の事を言ったろ。」 「そんなの嘘に決まってるだろう。馬鹿かよ。」 「ガクトの頭が心配だ。将来大丈夫かな?」 俺に続いて、京が追い討ちをかける。 「なんだこの幼なじみ達容赦ねーー!!!」 そんな会話をしながら登校した。
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