439人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなやり取りをしていると、隣の島津家が何やら騒がしかった。
ちなみに、この島津寮は島津家が管理している。
島津家は昔からここら辺に土地を持っていて、その一部を色々な所へ提供してくれているのだ。
「ほらーっ、ガクト!早くしなさいよ!!大和ちゃん達行っちゃうよ!」
中から麗子さんの声が響く。
麗子さんとはこの島津寮の管理人で、俺達の幼なじみの1人、岳人の母親だ。
「うるせーな!あんまり恥かかせんな母ちゃん!」
「やぁ、名前負け。」
「いきなり喧嘩売ってんのかてめー!」
「冗談だ。今日も超かっこいいぞ。」
「おいおい、よせやいいきなり本当の事を。」
この筋肉が服を着て歩いているようなのは島津 岳人(シマズ ガクト)。
俺達幼なじみの1人で、同じ2年F組だ。
「どうだ京。今日の俺様いつもよりイけてるだろ。」
「具体的にどこが?」
「髪型とか、ビシッと決まっててメスホイホイだろ?」
「変わらないけど。」
「はんっ、俺様はお前が心配だぜ京ちゃんよぉ。」
京の無表情の返答に、岳人が自信たっぷりに言い返す。
「何その不快な上から目線。」
そんな岳人の自信に気付いたのか、京は呆れた様な目で返事をする。
「男の大和でさえ俺様にモテオーラ感じてるってのに。」
「あれ俺何か言ったっけ?」
当然、ここはとぼけておく。
「今日も超絶かっこいいと本当の事を言ったろ。」
「そんなの嘘に決まってるだろう。馬鹿かよ。」
「ガクトの頭が心配だ。将来大丈夫かな?」
俺に続いて、京が追い討ちをかける。
「なんだこの幼なじみ達容赦ねーー!!!」
そんな会話をしながら登校した。
最初のコメントを投稿しよう!