第一章[新たな風]

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俺と京とガクトの3人で多馬川沿いを歩いていく。 春の日差しの暖かさが心地よい。 そんな事を考えていると、見知った顔が近づいてきた。 「やー。」 今日発売の週刊少年誌ジャンプを見ながら歩いて来たのは___。 「おはよう師岡 卓也(モロオカ タクヤ)。2年F組所属、趣味ネットや漫画。」 京が説明口調で挨拶する。 「なんだかえらく説明的だなぁ。」 「モロは陰薄いから、存在を確認しないと忘れそうで。」 「朝一でひどい事言わないでよ!」 そんな感じで歩いていると、何やら人集りがあった。 よく見ると、明らかに不良な人達が集団(12~13人)で、1人の女の子をグルリと取り囲んでいた。 しかも、不良達は全員武装済み。 だが、周りの生徒達は助けもしない。 むしろ、連中(ギャラリー)はこの見世物をワクワクした目で見ているのだ。 「これは朝から大ピンチ。」 「早く止めないと大変な事になっちゃうよ、コレ。」 京、モロと続けて口を開く。 「やはり流れ的には俺が行くのか。」 「つか、お前弟だろ。」 若干げんなりしながら言う俺に、ガクトが言う。 「弟っつーか、弟分なんだけど・・・まぁいいや。」 そう言ってから、集団に近づいていく。
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