〔木村 曜子〕
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店内へ入った途端、ほどよく冷たい空気が私の体を包み込んだ。 「…涼しい」 段々と汗がひいていくのがわかった。 それと同時に喉がその渇きを訴えてくる。 ジャージのポケットに手を突っ込み、その中から硬貨を取り出す。 …所持金は425円。 飲み物は買えても、これでは大して遠くに行けない。 財布を持ってこなかったことを今更ながら後悔した。
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