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学習会最終日、彼女に気付かれないように、こっそりと教室を覗いてみた。
彼女はいつも俺と一緒に勉強していた机に座っていた。
しっかりと俺の分の机の向きを変え、飲み物まで用意してくれてる。
いつもと違ったのは、彼女が俯いたままだったこと。
俺は罪悪感で胸が押し潰されそうだった。
でも今更、しかも最終日になってからなんて彼女に会わせる顔が無い。
俺はそのまま彼女に気付かれないように、家へ帰った。
テスト当日、俺は彼女と一言も口を利くこと無く1日を終え、家へ帰った。
次の日も同じだった。
そしてその次の日、俺は彼女に謝る決心をして学校へ行った。
だが、彼女の姿はない。
それどころか、担任もなかなか来ない。
もうホームルームの時間はとっくに過ぎている。
するといきなり教室のドアが開き、担任が暗い面持ちで入ってきた。
そして担任は深呼吸を何度か繰り返したあと、
「良いか、驚かないで聞いてほしい。穂坂が昨夜、亡くなったそうだ。」
…は?
この教師は何を言っているんだ、頭でも狂ったか。
あまりに衝撃的な事を告げられ、俺は頭で考えるよりも先に体が動いていた。
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