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俺は急いで彼女の家へ走った。
彼女の母親は、俺を見るなり、泣きながら徐に俺の数学のノートを手渡してきた。
「あの子の机の上に置いてあったの。貴方のよね?」
何とも言えず、俺は母親に
「ありがとうございます。それから、…お悔やみ申し上げます。」
それだけ言って家へ帰った。
部屋へ行き、彼女から返された数学のノートを適当にパラパラとめくっていた。
すると、ノートの中に1枚の便箋が挟まっていた。
俺はその手紙を読んだ。
『佐原くん、いつもテスト前に勉強教えてくれてありがとう。お陰で、楽に赤点を回避できます(笑)
でも、今回はそうはいかないかもです。私のせいで佐原くんのこと怒らせちゃって、本当にごめんなさい。
私、佐原くんと一緒に勉強するの、凄く好きだった。
…佐原くんが好きだった。
今まで私なんかの為に勉強教えてくれてありがとう。
これからも勉強、教えてほしいな。
それとも、私みたいなサボり魔はもう嫌かな?(笑)』
涙が溢れて止まらなかった。
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