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「どうだかな」
計の呟きはもっともで、本人こそ否定したが、しかし、彼女がストーカーというのは冗談でも何でもないのだ。
それは、今から一ヶ月前のこと。
詳細はひとまず棚上げするとして、新入生である杏子と、対して二年生である流との出会いは、あらゆる意味で衝撃的だった。
その際になんやかんやがあったわけで――だからといって付き纏うに至るような出来事はなかったと思うのだけれど――杏子は計のストーカー(仮)になってしまった。
とはいえ、計はサボり魔であることを除けば、普通も普通な学生である。
そのことを十二分に認識している彼自身は、たとえ放っておいても杏子の方がすぐに飽きるだろうと楽観的に考えていた。
いつの間にか一ヶ月が過ぎてしまったのは、むしろ好感度が上がった気さえするのは、まぁ、予想外に他ならない……
――本当に、なんでだ。
「…………計くんは、」
と、気付けば溜め息をついていた計は、杏子に呼ばれたことで現実へ戻ってくる。
杏子の纏う空気が、雰囲気が、それまでとは明らかに変わっていた。
「学校が、嫌いなのですか?」
影のある声で、尋ねられる。
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