後悔

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俺は、モニターの中のミサキを見ていた。 泣いているようだ。 まるで、こちらの状況がわかるように。 俺にはミサキがいる。 ミサキを助けなければなら。 一番大切な人だから。 俺は、天に吊らされている死体を見た。 彼女は最後に言っていた。 "タケシ、今からそっちに逝くね。" 彼女の大切な人(タケシ)は、もう亡くなっていたのかな? だから、そんな台詞を‥‥ 彼女は優しかった。 この俺に命を譲ってくれた。 いや、 俺とミサキに‥‥ そうだ。 後悔することはやめよう。 彼女に感謝しよう。 そうしないと、俺はあまりの後悔の重さに、押しつぶされそうだったから。 俺はミサキを助ける! 何としてでも。 必ず。 「待っていろよ、ミサキ。」 俺は扉の前に立った。 振り返る。 彼女の方を向き、軽く一礼した。 感謝の気持ちを込めて。 俺は、扉を開けた。
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