第二話

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★ 「だ、そうだよ、和真君?」 目の前で頭をガリガリと掻いて、 和真は表情を苦く歪めた。 鈴華がカオリと別れたあと、 大学の敷地内を一人で歩いていたら、 たまたま和真にばったりと出くわした。 ので、とっつかまえて事情説明。 「アイツの甘えたがりは今に始まったことじゃねぇからいーけど、 そっかー。そんなこと言ってたのか…」 腕を組んで悩み始めた和真に、 鈴華は呆れ混じりにぼやく。 「就活が忙しいからって全く会えないほどじゃないんだろう? 君の頑張りは認めるけれど、 カオリへのプレゼントを買うのにバイトを増やしても、 あのコを不安がらせたら意味ないだろう」 そろそろカオリの誕生日だけど、 彼女本人は忘れてたと言うか、 それどころじゃなかったようで、 気にもしてなかったけれど。 と鈴華は思いはして、言わなかった。 「…いや、まぁ、そうなんだけどな。 お前の言う通りだよなぁ」 とか唸りながらスケジュール帳を開く和真。 次の休みを確認しているんだろう。 「そもそもメールぐらい返してやれ。 君からも送ってやれ。 それで多少は和らぐんじゃないか?」 実際、たまたまとはいえ、 こうして鈴華と話している。 「いや、ぶっちゃけ隠し事苦手なんだよ」 唐突に和真がよくわからないことを言い、 「は?」 鈴華は思わず聞き返した。  
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