第三章 [授業]

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(これは弾かなければならないのか?) セイジが気付いた時には既に、鍵盤に手を置き、譜読みをしていた。 (この曲は弾いた事なら何度でもある!) しかし、この曲のこの編曲は初めてである。音楽担当の井原先生が編曲したのだから無論だ。 セイジには何度もステージに立った事はあった。何千人のオーディエンスの前で弾いた事も、大きなコンテストに出れば当然ある。 しかし、セイジは焦っていた。 (くそっ…追い付かねぇ…。) 初見で譜読みしながら弾くのは、知っている曲であっても、上級のピアノ練習曲として編曲されているのなら誰にでも難しい。
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