71人が本棚に入れています
本棚に追加
井原先生に続き、疎らな拍手から拍手喝采へとなった。
涙が出そうな程、くやしかった。心臓の脈拍を感じとれる程、胸が苦しかった。
「これは、夏休みの間に私が編曲したものよ。」
額から汗が流れ落ちる。
「この曲は心地を意識して書かれた曲だと思うわ。だから、あえてこうしたの。そう、オケの部分をあえて忠実に再現し、両手が独立して激しく左右に動くようによ。」
(だめだ…誰だよこいつ。)
セイジは屈辱を噛み締めながら、この女性を見つめていた。
最初のコメントを投稿しよう!